梵僧が被っている特徴的な帽子は、なぜ「特徴的」なのでしょうか。

授業でもお話ししましたが、民族社会では、人間のエネルギーが宿る場所として頭を重視します。それゆえに頭を刈り、場合によっては摂取する首狩りの習俗が存在するわけです。西南少数民族の間では、頭部を豪華に飾り立てる風習がよくみられます。一方で僧侶の坊主頭は、父祖の遺体である自らの身体を傷害する行為として、仏教伝来時の中国社会で大きな非難を受けました。宝誌が帽子を被ったり、梵僧が帽子を被る姿で描かれているのは、そのことと関係があるのかもしれません。