縄文系のムラと弥生系のムラとは、どのようにコミュニケーションをとっていたのでしょうか。

現代人におけるコミュニケーションでも、実は言葉によるそれは、全体の10%にも足りません。言語以外のさまざまな要素、声のトーンやスピード、話し方、表情、身振り手振りなどの総合的なメッセージが、相手に種々の情報として伝わっているのです。民族社会においても、他の集団と集団とが言語でコミュニケーションを取ることはあまり多くはありません。例えば、贈与・交換という形式(沈黙交易)が広く行われています。相手に自分たちの大切な物品を渡し、相手側がそれを受け取って代替の品を渡すことで、交易が開始されます。もし相手が物品を気に入らなければ、別の品物を持参する。同じように、こちら側も相手のモノを品定めする。そのようにして、相手の需要や文化を理解しながら、交流を深めてゆくのです。そうした交流が長期に及べば、次第にお互いの言語を理解する人々も生じてきます。