弥生時代後期、気温が低下するに伴ってイネの収穫量が低下し、それに対応して技術発展がなされることで、クニの誕生に繋がったとありますが、具体的にどのようなことが行われたのでしょうか。

イネの品種改良は、日本では平安時代に初めて史料的に確認されます。この時点では、朝鮮半島から先進的な知識・技術を導入し、農耕具の改良、耕地や灌漑設備の改良、耕地面積の拡大、労働力を集約しまた組織力を高め効率化を図る、といった程度でしょう。しかし、例えばこれまで開発できなかった高燥な地帯を、河川の流路変更や溜め池の造成などの技術革新で耕地化できるようになり、そうした地域を耕す労働力を確保できれば、稲の収穫量は確実に増大するわけです。すなわち、組織的な労働力を多く蓄えておける共同体が有利であったわけで、勢力のある集団へ小規模な集団が吸収されてゆく動きが増してゆくのです。