アニミズムとは、擬人化の一種なのではないか。人間が他の生物とは異なる存在だ、という認識が明確になるのはいつからだろうか。
そのとおりです。これは、人間が他の動物との間に明確な境界を持たなかったことと当時に、人間の想像力の限界をも意味しています。少なくとも狩猟採集が生業の中心をなしていた段階では、人間は他の動物との対称的な関係を維持していました。民族社会における狩猟者の伝承のなかには、動物が人間に姿を変えたり、人間が動物に姿を変えたりする物語が多く存在し、二者の間には婚姻も成り立ちます。しかし農耕社会が出現し、動物が害獣化して、人間/動物の間が一方的な殺戮、排除の関係になってゆくと、人間が自らの位置を卓越したものとして幻想し始めるのです(ドメスティケーションの場合も同じ)。