陶邑の樹種分析などから分かる環境破壊は、日本の歴史にどう影響を与えてゆくのでしょうか。建築や水軍力のあり方にも影響してゆくのですか。

古墳時代の頃ですから、環境改変が進んでゆくといっても、即座に社会にマイナスの影響が出るほど、環境が悪化してしまうわけではありません。しかし7世紀にまで至ると、藤原京建設に至る時点で、すでに飛鳥周辺の森林における建築用大径木は底を尽き、近江国の山林にまで手を伸ばさなければならない事態となっていたことが分かっています。以降、遷都や寺院移転の際にも、もともと使用されていた木材を解体して運び、再利用することが多くみられるようになってゆきます。