動物に関する伝承で、人と動物の混血が人間的な姿になることが多いのはなぜですか。

いわゆるアニミズム信仰においては、信仰の対象は森羅万象に宿る生命=精霊ですが、これは人間と同じ姿をしていると考えられることが多かったのです。熊や虎、狼などの獣も、その毛皮を脱げば、人間と同じ姿をしている。逆に人間が毛皮を着れば、熊や虎、狼になれる。他者表象としては、それがアニミズムの限界であり、しかしそれがために、あらゆる生命に上下の価値付けや差別を設けることがなかったのです。