十二神将にしろ十二誓願にしろ、なぜ12という数字が仏教においては重視されているのでしょうか。また、十二獣と十二支は、方角に準えられることが多いのでしょうか。

12は、仏教だけではなく、種々の宗教で整数として用いられるスタンダードのひとつですね。例えば、キリスト教でも「十二使徒」などがあります。これは、12が月や方位など、世界を分割する、あるいは表現する基本的な数字であるからです。ネリー・ナウマン民族学者によれば、聖数はまず方位、空間を分割するものとして4から始まり、やがて8、12と次々分割されてゆく。そのなかで、他の事象をも包括的に表現しうる数字が生き残っていったということでしょう。