私の地元の北海道でも、新千歳空港に掲げられた日本ハム・ファイターズの広告に「北海道は開拓者の土地」とあったことから、多くの批判を受けたことがありました。

これは明らかに、広告会社、ファイターズが悪いですね。歴史に対する認識の浅さ、それが暴力に転じうる怖さを、まったく分かっていない。日本が中近世から次第に北海道へ進出し、北方交易の利益を求めてそのネットワークに介入し、アイヌの人々から搾取を行ってきたことは確かです。明治維新以降はこれを植民地化して、朝鮮半島の経営を考えるための実験場にもしてきた。また近年は、「旧土人保護法」をめぐる歴史修正主義的な教科書検定アイヌ民族否定論なども巻き起こって、政府が正式に認定した「先住民族」への対処の仕方について、国連の人権委員会から批判や勧告も出ている始末。「人権後進国」としての、日本の悪評判を高めてしまった印象です。