孫悟空が土着信仰と融合して生まれたのなら、猪八戒や沙悟浄も土着信仰と結びついて生まれた従者なのですか。また、豚に関する信仰が存在する地域はあるのでしょうか。

沙悟浄は、やはり『西遊記』の前段階に属する三蔵西天取経説話において、流沙河の主として登場し玄奘を守護する深沙大将がモデルです。同神は玄奘の翻訳した『大般若経』に登場する十六善神の筆頭で、法相宗の寺院などでも安置、奉祀されているところがあります。河童と考えるのは、日本だけです。猪八戒はトリック・スターで道化役、人間の色欲の権化として描かれています。好色・貪欲の象徴ですね。豚は中国では、供犠に用いられる代表的な畜獣ですので、失敗をして妖怪に捕らえられる→殺されて食べられそうになる→悟空らに救われる、という展開に最も似つかわしかったものと思います、