蛇のイメージは、西洋でも同様なのだろうか。『聖書』などから、ずるい狡猾なイメージがあるのだろうか。

西洋では、蛇は死と再生を繰り返す不死の象徴です。現存最古の神話であるメソポタミアギルガメシュ神話では、冥府に赴いたギルガメシュが獲得した不死の薬草を、蛇が奪って食べてしまいます。ゆえに人間は死すべきものとなり、蛇は不死になったという起源譚です。『旧約聖書』創世記に語られるエデンの蛇は、このヴァリアントです。ずるがしこいという表象は、いうなれば、不死に対する人間の羨望から生じたものといえるでしょう。