この時期の東アジアにおいて、中央集権化が各地で進んでいたのはなぜなのでしょうか。

やはり、隋、唐と続く統一王朝の成立が大きいでしょうね。朝鮮諸国も府官制に依拠しながら競合国との関係を少しでも優位にするよう腐心してきたわけで、南北朝期は主に南朝の制度に大きく依拠していた。また、北朝の諸国からも、文物や、ときには亡命者などが訪れていたことを確認できます。そのように密接に交流してきた南北朝が統一され、巨大な権力体になった。そのインパクトは非常に大きかったでしょうし、それだけではなく南北朝諸国が放置してきた半島諸国にまで手を出してきた。国内の豪族たちが互いの私的利益のために対立している情況では、国自体が滅んでしまう。それぞれの国が、それぞれのあり方で危機感を共有し、それを克服しようとした結果として、中央集権に辿り着いたということでしょう。