庚申信仰の三尸は、役割が倶生神に似ている気がしましたが、ルーツが同じなのでしょうか。

倶生神のルーツはインドまで遡りますが、もともとは冥界を掌る双子の神でした。仏教が中国に輸入され、東アジア化してゆく南北朝期には、仏教と道教が密接に交流し、お互いにお互いの要素を取り入れ変容するに至りました。人間の善悪を監督する仏教的神格は四天王が最初で、これと相互交流しつつ道教の三尸も登場しますが、やがて南北朝後期〜隋唐に地獄信仰が強まると、冥界の倶生神がその役割を担うようになってゆくのです。