徳や善行を著しく積んだ人間が、人間よりも高い地位の霊獣や神獣へ転生するという逸話はあるのでしょうか。

うーん、仏教では、霊獣も神の化身でなければ、やはり人間より下なのです。授業で紹介した『成実論』には、「若し少しく施分有らば、畜生に生まると雖も、中に楽を受くこと、金翅鳥・龍・象・馬等の如し」とあって、悪業のなかでも少々布施を行うなど善業のあったものは、畜生のなかでも楽を得るものに生まれるとされており、金翅鳥や龍といった伝説上の動物が含まれていることがポイントです。