六朝時代にみられたシャーマニズムの源流は、道教にあるということでよいのでしょうか。

道教も、在来の習俗や老荘思想、神仙思想などをもとに、江南地域などを中心に発達した創唱宗教です。漢の時代から、身体の修養や病気治療などを目的に展開し、時代・地域によって特色のある形式をみせました。貧苦した民衆の支持を集めたことで革命思想と結びつくことも多く、権力からはたびたび弾圧を受けています。そうした宗教に編成される以前のアニミズムシャーマニズムは、各地の自然環境と生活文化に根ざして存在したのです。六朝初期に観られた降霊事象などは、もともとは道教と関わりのないレベルで起きていた、より土俗的なものであったと考えられます。