女性の「職」としてシャーマンが出てくるのは、いつごろなのでしょうか。

北海道の入江貝塚から発見された縄文の女性の人骨は、幼い頃小児麻痺に罹患したらしく四肢の成長が阻害されていましたが、年齢は思春期後期に到達していました。すなわち、労働できない女性を、同共同体はその年齢になるまで活かし続けていたということです。他の証拠が一切ないので不明な点は多いですが、これは同女性がシャーマン的な役割を果たしていたからではないかと考えられています。ただし、よく分からないことがあると宗教や祭祀を持ち出すというのは、考古学などのマイナス点ではあると思いますので、真相は不明です。日本列島では、弥生時代の土器絵画に鳥の扮装をした女性が描かれており、稲魂を祀るシャーマンではないかとみられています。こちらの方は、やや蓋然性があるでしょうか。