明治大正期に、北海道大学等がアイヌの墓を暴いて強引に研究資料を集めていたとの記事を読んだことがありますが、史料編纂国史校正局などの史料収集も、強引に民間の史料を徴集したりしていたのでしょうか。

一般の人々を相手に恫喝的に史料を収集することは、建国間もない明治政府の正当性を動揺させますので、一応はきちんとした手続きを踏み、買取や借用などが行われたはずです。しかし文化的には混乱期でもあり、とくに廃仏毀釈が吹き荒れた情況においては、古寺の持つ貴重な史料群など、保存を名目にタダ同然で取得してきた場合もあったと考えられます。ちなみに北海道大学アイヌ人骨収集は、和人の人種的優越性を科学的に立証するための、比較標本として収集されました。同大は同じような理由で朝鮮人の人骨も奪取してきており、植民地経営の先端に立つ機関としてかなり問題の多い行動をしていたことが明らかになっています。