私は一般常識程度にしか歴史を学んでいないから、歴史は規則的、歴史は繰り返すようには考えられない。今から民主化が薄れ、独裁者が政治を行うように変わるとは考えられない。また戦争が起こるなんて、今は考えられない。でもだからこそ、歴史を学ぶマルクス主義者が「歴史は繰り返される」と考えて、これからの世に警告を発しているのかもしれないと思った。

重要な考え方ですが、マルクス主義は、「歴史は繰り返す」とは必ずしも考えません。あくまで、一定の法則に沿って歴史が展開する、ゆえにその法則自体は、それぞれの時代で同じ論理が繰り返されるとするだけです。しかし、例えば重要なのはやはりイデオロギーに対する考え方。例えば、「今から民主化が薄れ、独裁者が政治を行うように変わるとは考えられない」という発想も、現在の政治・経済体制を堅持するためのイデオロギーが作用し、生じている虚偽意識かもしれないわけです。事実、日本においては民主主義的な法制、あるいは政治運営のあり方は確実に後退しており、国外ではそのように報道されています。秘密保護法などの内容はアメリカでさえ訝る不充分なものですし、安保法制を含む国会審議のあり方も、手順を無視するばかりか議事録の改竄まで行う、あからさまなルール違反が繰り返されました。20年前には大問題となり、内閣総辞職に至ったであろう事態が、現在では、国内的には何も問題視されずに許容されてしまっているのです。日本においても、すでに民主化の後退は著しく進んでいるのです。