マルクス主義歴史学の人々は、日本で実際に革命を起こそうとは思わなかったのでしょうか?

もちろん、戦前に思想弾圧の対象になったのは、マルクス主義者がコミンテルンの指導によって革命を起こし、現状の体制を打破しようとする意志を持っていたからです。戦後の学生運動においても、すべてがすべてそうした思想に一元化できるかどうかは別として、革命が志向されました。歴史研究者のなかにもそうした考え方を持つ人々はいましたが、現在意識的に集団を作り武力革命を行うか、あるいは社会情勢の展開によってそうした情況が整うのを待つか、さまざまな立場があったのです。