世界史の発展原則に関心を持ちました。近代資本主義の次は社会主義、そのあとは何が来るのでしょう。今後の世の中がどうなってゆくのか、予測を立てる方法があれば知りたいと思いました。

現在はむしろ、そうした「資本主義のオルタナティヴ」が構想できない状態が問題なのです。ネオ・リベラリズムが世界を席巻して種々の弊害をまき散らし、社会的格差の増大と集団の分断が加速するなか、資本主義の限界が誰の目にも明らかでも、それに変わりうるものを構想できない。『21世紀の資本』を著したピケティですら、資本主義の宿痾たる格差の是正には富裕税の導入で対応するしかないとして、やはり資本主義の内部でしか対応策を打ち出せていない。それは社会主義諸国の崩壊とも関わりがあるわけで、自らが「絶滅」に向かおうとしているのにそのイデオロギーは健在であるという、資本主義の恐ろしさを体現しているのかもしれません。