森林が減ると地球温暖化が進行すると思うのですが、例えば授業で扱っていた、17世紀の情況などはどうだったのでしょうか。

地球の温暖化は、森林の枯渇だけで起きるわけでもなければ、日本のみの環境状態で左右されるわけでもありません。まず前提として、地球にエネルギーを供給する太陽活動の変化、オゾン層に代表されるような大気に内在する諸要因、噴火によるエーロゾルの増加、海洋の変動など自然的要因が大きくあります。中近世移行期以降の寒冷化は、その大きな情況のなかで起きているもので、森林の枯渇は、全体としては大きな影響を与えなかったものと思われます。舗装ではなく、地表面に土や木(木造の建物など)が多く残っていたことも、熱吸収に効果的だったでしょう。しかし、夏期の局所的な影響はあったはずで、人々の体感温度がどのようであったか、その微細な部分については、今後研究の必要なところでしょう。