東学農民に対して殲滅作戦を展開した日本に対し、いま国際的な批判があまりないようにみえるのは、北大の頭蓋骨発見以降、かなりきちんとした対応がなされたからでしょうか。歴史的事実としては、もっと批判されてしかるべきだと思うのですが…。

全面的に「そうだ!」といえるならよいのですが…。確かに、一方でこの件に関しては北大などが対応を誤らなかった(北大が、というより、事件に直面した教員たちが、誠心誠意尽力したのだと思います)ことは間違いありません。だからこそ、韓国国内でも大きな非難が起きなかったのでしょう。しかし一方では、北大の頭蓋骨発見事件や韓国・日本の共同調査はもちろん、東学農民第二次蜂起と殲滅作戦自体が、世界的にもあまり知られていないのだと思います。授業でもお話ししたとおり、日本社会でもほとんど共有されていません。ここ数年で、研究書以外でも、だんだんとこの事件を扱う書籍が増えてきましたので、また情況は変わってくるかもしれません。韓国国内では、一時期かなり盛り上がり、東学党の再評価にも繋がりましたが、そのこと自体、日本ではほとんど報道されていないでしょうね。