アメリカの核廃棄物交渉局の先住民へのスタンスには驚いた。アメリカの先住民は長い間迫害されてきましたが、インディアン・カジノなどで優遇されているところもあります。現在のアメリカ政府は、先住民に対しどのような態度で臨んでいるのでしょうか。

2007年、国連で「先住民族の権利に関する国際連合宣言」が採択され、主に近代以降の帝国主義植民地主義を通じて侵害されてきた先住民族の権利を回復し、維持してゆくための姿勢が加盟国へ要請されました。この採択に反対したのが、やはり国内に多くの先住民族を抱え、その抑圧の歴史を持つアメリカ、オーストラリア、ニュージーランド、カナダです。いずれも今日に至るまで採択に同意しましたが、アメリカは2010年、オバマ政権の頃に、アメリカ国内におけるすべての先住民族に対し、侵害した権利を回復すると約束しています。ちなみに、日本にはアイヌの問題がありますが、日本政府は彼らを、1997年の国会決議に至るまで「先住民族」とは認めていませんでした。琉球王国に至っては、現在もまだ、琉球処分以前の同王国を独立した主権国家だとは承認していません。承認してしまうと、これまで侵害してきた諸権利の回復や補償に関する問題が噴出し、例えば現地の意向を無視してアメリカ軍基地を設置することなどできなくなってしまうからでしょう。