ディプロマ・ポリシーをみると、上智の史学科は、プラクティカル・パストをそれなりに重視しているのかもしれないと思います。プラクティカルでもあり、ヒストリカルでもある歴史学を構築することがよいように思うのですが、そうした概念は提唱されているのでしょうか?

ヒストリカル・パストから直接的に教訓を引き出すというより、過去を分析・考察する知識・技術・能力が、現代を生きるために大いに役に立つものであるという考え方でしょうね。ヒストリカル・パストのプラクティカル化というより、ヒストリアンのアクチュアリティが重視されているのだといえるでしょう。歴史を学ぶ者が、現在とどう向きあうか。その学問を用いて、現代とどう切り結ぶか。現代歴史学は、そのことについては非常に敏感になっています。