史実かどうか分からない神話の起源を探ることは、歴史学から逸脱していると思うのですが、その点はどうなのでしょう。

過去に生じたものは、すべて歴史学の対象になります。またそもそも、学問とは「越境」することなしに発展はしません。学問のあり方からすれば、本来は明らかにすべき対象がまずあり、そのありように即して最適な方法を模索してゆくのがベストです。学問の枠組みがまずあり、それに対応して対象が決まるのでは、断じてありません。ディシプリンが対象の解明を阻害するのであれば、そんな枠組みなど棄ててしまえばよいと思います。