秦氏は当時の氏族のなかで最も大規模であったとあったが、王権内で登用されていた数も同様に多かったのだろうか。

授業でもお話ししましたが、中・下級の官人としての登用は極めて多いですね。とくに根拠地である山城国へ都が遷ってからは、多くの人材を輩出しています。珍しいところでは、陰陽師でよく知られる陰陽寮雅楽のメッカ宮内省雅楽寮にも、秦氏の出身者がみられます。現在も雅楽の中心を担う宮内庁楽部の東儀氏などは、秦河勝の末裔を標榜しています。