古代社会においてシャーマン階級は、政治的有力者が自らの支配を正当化する神話を必要としたから誕生した、という解釈で正しいでしょうか。

必ずしもそうとはいえません。なぜなら、シャーマンはいわゆる平等性社会のなかにも存在するからです。あくまでその発生は、偏重した力との関係ではなく、神霊との交渉において共同体を代表する者として考えるべきです。しかしその特権性、すなわち神霊との交渉の知識・技術の独占から、王権が発生した地域においては、囲い込まれて特別な位置を与えられてゆきます。首長や王自身が最高のシャーマンである場合もありますが、社会的分業が進むと、多くは世俗/宗教のレベルに別れ、後者は前者の正当性を保証する役割を帯びてゆくのです。