ハタ・ハダなどの読み方の違いがあるが、それらはどう推測するのか気になった。また、漢字の読みなども、本当に当時の人々はそう読んでいたのだろうか。

漢字を表音文字として用いる部分があれば、中国音韻との関連などから、どのように読んだかは推測かのうです。秦氏の「秦」も現在はハタと訓むのが一般的ですが、波陀との音韻表記があり、蔚珍波旦との関係が強いとすれば、ハダと訓むべきだとの見解も出て来ています。しかし、音韻表記がなく、漢字を表意文字として使用した漢文だけになると、本当はどう読んでいたのか分からない部分も出てきます。それゆえに日本文学では、「古事記は読めるか」という根本的命題があり、漢語/上代日本語の相剋や交渉の面から研究が進められています。