日本で使用している擬態語は、いつ作られたのでしょうか。

古事記』の段階でもう出てきますが、そのなかには現在意味の伝わっていないものも多いですね。例えば、『古事記雄略天皇段で、天皇に襲いかかる猪の状態を表現したウタキという言葉。一般的には憤怒の様子を示しているとされますが、藤井貞和さんは、それがヨリ・クると表現され、また天皇による歌謡へと結びついていることから、「むやみに高揚し憑かれた状態になっている心的騒乱状態」と解し、歌を導く開放状態へ連結する相との、古代固有の意味へと到達しています。表意文字としての漢字では表現できないヤマト言葉で、極めて興味深いものです。