新石器時代中期の墓の副葬品に、卜占に用いた亀甲と小石が収められていたと、東洋史で勉強したことを想い出した。

おっ、よく知っていますね。それは、亀の甲羅を使用した熱卜である、亀卜の起源ともいえるものです。1980年代以降、黄河下流域〜揚子江流域における大汶口文化早期以降の大型・中型墓より、亀の腹甲・背甲を綴り合わせて囊状にした器物が、多く小石や骨針・骨錐を内包した状態で出土しています。そのうち最も注目されるのは、安徽省含山県凌家灘4号墓(約4500年前)でみつかった、最古の部類に属する卜占に使用されたらしい玉亀・玉板です。玉亀は亀甲を玉で整形し再現したもの、玉板には、7000年前より粔沢・大墩子・大汶口など中国東部に共有された八角星紋に起源する文様、のちに洛書の伝承を介して式盤や羅盤の図形に至る文様が刻まれていた、驚くべきものでした。これらは玉板を玉亀で挟み、なかに小石などを入れて振り、開けたときに小石が文様のどの位置にあるかで卜占を行ったのだろうと推測されています。