たしかに先住民族に対する政府の対応はよくないものだと思う。しかし私は、阿寒湖にあるアイヌコタン村へ興味本位で行ったことがあるが、とても不気味で二度と行きたくない触れたくないと一種の恐怖を感じた。これが昔もそうだったら、支配し和人化したくなる気がした。みんなも、まずアイヌを体験してから意見をいうべきだと思った。

うーん、難しいですね。傷つかずに聞いてほしいのですが、そうした「不気味さ」を覚える感性こそ、実は差別の根源です。なぜ不気味だと感じるのか、恐怖を感じるのか、そのことをよく考えてみてください。実際には何もされてしまうのに、何かされるように勝手に感じてしまう。そうした恐怖感が差別的大虐殺の引き金になったことは、世界各地の歴史のなかに確認できます。また、ひとつの個人的な、限られた経験を絶対化し、アイヌ民族・文化全体の価値付けに敷衍してしまうことも、大きな問題です。そうした誤解を解くためにこそ、「アイヌを体験する」ことが必要だと思います。