アイヌらが交易品とした皮1枚は、現在の貨幣価値にするとどの程度になるのでしょうか。

地方によって、品質に基づくかなりの相違があり、樺太のクロテンの毛皮は、北海道のそれの4倍の価格であったといわれています。近世の貨幣換算記録(松前藩の買い取り価格)が残っているものでも、やはり樺太が最も高価で121.5文、十勝では32文、根室や釧路では50文程度であったようです。日本では毛皮の価値が低く、樺太のものでも現在の1500円程度に過ぎないことになります。しかし、清ではやや高価で買い取っていたようで、19世紀初め頃、クロテン毛皮1枚を銀2両で購入していた記録があります。現在の8000円程度、ということになるでしょうか。