キリスト教普遍史の年代学論争が不毛だと思う前に、プロテスタントがイエス生誕を創生紀元3963年としたならば、終末はまだまだ先なのではないか?

授業でもお話ししましたが、プロテスタントの依拠したタルムードのエリアの預言は、世界自体を6000年の持続とみたほか、「我々自身の罪のために月日は更に省かれる」とも述べていました。それが明確な年数でないところがミソですが、すなわち自分たちに対する罪業観が強いほど、6000年は短縮されるとみられたわけです。プロテスタントは一般的に、聖職者を介さず、個々人が神と直結し、その倫理性のなかで日常を自律的に生活します。それゆえに罪の意識は強く、その点が終末を間近とみる意識とも結びついているわけです。