ラ・ポプリニエールがいうところの「トゥキディデスからランケへ」というフレーズにヘロドトスが入っていないのは、彼が実証主義的な記述をしていなかったからと考えていいですか。

ぼくの説明の仕方が悪かったのかもしれませんが、質問の「 」内はラ・ポプリニエールの言葉ではなく、一般に実証主義歴史学の成立を論じる場合には、という意味です(ポプリニエールの生きた時代に、未だランケは生を受けていません)。しかし一般的な意味で実証主義の流れからヘロドトスを除くのは、授業でも説明したとおり、その内容に当時の意味での客観性を欠くところがあり、また記録性よりも物語性や伝承性の強い史料を多く用いていると考えられたからです。