松前藩の場所請負制について、自分たちは場所(商場)に赴かず承認たちに行かせる理由が、いまひとつよく分かりませんでした。危険というだけなのでしょうか…。

蝦夷地は松前藩の領土ではなく、その土地が家臣らに分割されているわけではありませんので、彼らは基本的に城下町に集住しています。アイヌの領域に設定された場所=商場における交易権が知行として与えられたといっても、まずは交易に必要な物品を確保し、それを商場まで運んでゆかねばならず、かなりの時間と労力・費用がかかるわけです。しかし、これらの作業一切を商人に委託し、代わりに運上金を徴収するシステムに変えれば、藩士たちは何の労力も費やすことなく、城下町に居ながらにして利益を得ることができるわけです。