ジェンダーの話になると、男性よりも女性が取り上げられるのはどうしてなのでしょうか。

それは、まだまだ日本社会が男性優位社会であるからですね。その是正のためには、女性の権利、社会における平等の扱いを求めるような注意喚起を、続けてゆかねばならない。そのために、「女性○○」といったテーマ、スローガンがどうしても増えてしまうことになります。皆さんがこれから就職活動をし、就職して社会の現実を目の当たりにすれば、逆に「まだまだ足りない」と痛感することになるでしょう。しかし理念としては、男性性が支配的なものとして構築されることによって女性性も抑圧に曝されることになり、また抑圧者としての男性性は男性をも抑圧することになるので、併せて男性性の構築・解体に関する研究、注意喚起も不可欠です。最近では、「強く勇敢な」いわゆる〈マッチョ〉な男性像も、ずいぶんと解体されてきたと思いますよ。