やっぱり遊女が罪の意識を持っていたという事実自体が、変だなと思いました。

ぼくも変だな、と思いますね。彼女たち自信が自発的にそう考えたというより、社会や宗教の仕組みが、彼女たちにそう「考えさせた」というほうが、真実に近いでしょう。遊女たちに自分を罪業深い存在だと認識させるのは、遊廓の経営者らに有利に働くイデオロギーでしょう。その罪深さから逃れる術が借財を返却することしかないのだとすれば、死に物狂いで働かねばならない。しかしそのようにして身体を売ることが、また彼女たちを追い詰めてゆく。遊廓経営の背後には、そのような悪循環も読み取らねばならないと思います。