「はみ出すものとしての社会史」という考え方に対して、私はそうは思わなかった。社会史と一言でいえるものは、すべて人々の生活の基層にあるもので、人間を構成する基本となる部分と密接に関わっているためである。

社会史の認識としてはそのとおりですが、「はみ出す」の理解の仕方が少し違っているようです。「はみ出す」とは、既存の枠組みから逸脱する、つまり所与のものとして存在する学問のあり方を相対化し、更新するということです。固定化し形式化してゆく学問のありようを常に更新してゆく、それが社会史の運動だというのが二宮さんの考え方でした。