社会史における個別分散化と聞いてよく分からなくなってしまったのですが、個別史における歴史学的視点とはどのようなものなのでしょうか?例えば、科学者が作る科学史、美学者が作る美学史といったようなものは?

他の学問分野における○○史の研究は、歴史学プロパーによってなされる場合もありますが、同分野の学者が試みる場合も少なくありません。そうした研究は、われわれからみると、どうしても「史料の扱い方」に問題がある、史料をしっかりと読解できていないとみえてしまいます。それはいうまでもなく、ディシプリンが共有できていないことによって生じてくるのですが、おしなべて本当に経験的に史料を読解している場合が多く、学問とはいいがたいものも散見します。お互いで意見交換をしながら、よりよいものを目指してゆくことが大切ですね。