フランスの現代思想が、70〜80年代、日本に大きな影響を与えていたと知り驚きました。日本とフランスの間での文化的交流は、他国に比べて活発だったのでしょうか。

日本だけではなく、この頃の現代思想はフランス全盛期だったのですよ。近代からパリは芸術文化の中心というモードはあったのですが、先後に至って、実存主義サルトル、ヴォーヴォワール、構造主義レヴィ=ストロースフーコーアルチュセール、バルト、ポスト構造主義デリダドゥルーズブルデュー、みなフランスです。また、それぞれが純粋に哲学領域のみにとらわれていたわけではなく、レヴィ=ストロース民族学文化人類学)、フーコーは歴史系、バルトやデリダは文芸批評、ブルデュー社会学と、種々の学問分野に跨がっていたことも、影響が大きく広がった要因でしょう。ここに名を挙げた人々はいずれも地の巨人で、専門分野以外でも未だによく名前が挙がります。