「人はみんなマイノリティである」という話から、マイノリティの線引きがどこからなされるものか気になった。

何かと何かを区別する線引きは、常に相対的なものです。マイノリティは直訳的には少数派ですから、ある情況においてはマイノリティであった人々が、別の条件のもとではマジョリティになるということも、もちろんその逆もありえます。しかしこの授業では、マイノリティを抑圧されるもの、その抑圧の経験を通じて他者と連帯するものとの定義を与えました。これは、人々に自覚を迫る倫理でもあります。マジョリティにアイデンティファイして安心立命を得るのではなく、ひとりひとりが他とは異なるマイノリティであるとの自覚をもとに、多様な価値観を認め合ってゆこうとの呼びかけです。