松島周辺において、縄文の遺跡が東日本大震災の津波の影響を受けなかったことについて、縄文時代の海岸線は現在より内陸部にあって、それが寒冷化とともに海退したということではないのでしょうか?

一般的にはそのとおりです。縄文時代は前期を通じて比較的温暖で、後期からの寒冷化に伴い次第に海退が始まります。しかし松島周辺は、海退とともに地盤沈下が生じ、結果として現在の海岸線は、縄文時代における陸地と海岸との距離をほぼ保っているのです。よって貝塚などの遺跡も、縄文時代の海とほぼ同じ距離感のうちに立地していることになります。