トランス・スピーシーズ・イマジネーションとパースペクティヴィズムの関係ですが、前者を有する結果として後者の視点が発現するということでしょうか。

そうですね、分かりにくいのですが、私は逆であると考えています。つまり、対象をその視角から理解するという認識論が基底にあるために、他種・多種の視点を獲得しうるのでしょう。しかし、パースペクティヴィズムを持つ文化の構成員すべてがそうだというわけではなく、恐らくシャーマンその他の宗教者が、先鋭的にそうした知識・技術を彫琢しているのでしょう。一般的な人々は、それらシャーマンの神話語りを聴くなかで、ある程度の想像力を醸成してゆくのだと推測されます。ブッダが悟った内容を弟子たちに説き、弟子たちがそれをもとに宗教的実践を繰り返してゆく、その縮小版のような情況が、民族社会一般では起きていたのでしょう。