マルクス主義は、他の国(例えば一見関係しそうにないオセアニアなど)では、どのような考え方をするのでしょうか?

西ヨーロッパでは、ソ連の誕生以降、共産主義社会主義にもさまざまな派閥が発生してゆきました。社会民主主義などはその典型で、議会制民主主義などを採り入れた穏健な社会主義として広く浸透し、二大政党制の一党を担う状態になっています。オセアニアもこの影響を受け、例えばニュージーランドでは、世界恐慌以降、社会民主主義労働党が断続的に長期政権を維持してきました。1980年代、新自由主義的な経済政策を進めて支持を失い、一時期政権を手放しますが、今年の総選挙によって、連立政権のもと久しぶりに労働党の首相が誕生する見込みです(しかも30代の女性)。なお労働党は、自由貿易を堅持しつつも、過度の自由主義的政策によって生じた社会資本の劣化、貧富の差の拡大などに対処すべく、ベーシック・インカムの導入を含め、一部「大きな政府」のありようを復活させています。