骨卜に用いる動物自体には、宗教的な意味はないのでしょうか。

もともと獣骨を熱して行う骨卜=熱卜は、炎を用いて獣を神々に供犠した際、燃え残った骨の色やひび割れの具合で、神がそれを受け容れたかどうかを判断したとこに起源するといわれています。ゆえに狩猟採集時代の鹿、牧畜時代の牛や羊は、神霊に捧げられるものとして位置づけられていた、それが転じて神霊の意志を体現するものとなったというわけです。亀の場合は供犠に用いられていたわけではありませんでしたが、その形状の特殊性ゆえか、亀甲に神霊の意志が表れるとの信仰が早くからあったようです。新石器時代の段階から、亀の腹甲と背甲の間にのちの魔方陣のような図形が描かれた石板を挟み、そこに小石を投入し振り動かして、図形上のどこの位置に来るかで吉凶を判断する卜占が行われたらしいことが、考古学的遺物から推測されています。