最近ニュースで、今後の日本史の教科書で、「坂本龍馬」や「武田信玄」などの、歴史的にも有名な人物たちが消えると放送されていましたが、先生は、それらの人物が教科書から消えるかもとなった場合、その判断は妥当と思いますか?

この発表を担った高大連携歴史教育委員会には、知人が多くいます。メディアでの報道は多く誤報道、ミス・リードがあるので、正確な情報を知りたい場合には下記のホームページへアクセスしてみてください。なお、同委員会の意図としては、歴史の授業や入試が思考型へと大きく舵を取ろうとしているなか、現状は厖大な語句・概念を暗記させるような状態が続いているため、歴史の基礎的な流れを必要最低限の情報で整理できるようにし、アクティヴ・ラーニングの時間を確保しようという点にあります。つまり、この「精選作業」によって削られた語句には意味がない、学習の必要がないというわけではありません。むしろ、この発表後に社会が示した反応と同様、現場が誤解し、「最低限の学習」しかしなくなってゆく恐れのあることが問題と思います。委員会の考えがどこにあろうと、「精選」後の歴史の流れがメイン・ストリームになってしまうことが問題であり、思考型授業によってその「暗記」を補完できるか、あるいは逆に相対化できるか、現場の教員の個々の実践に成否がかかっているといえるでしょう。
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