現代を生きる人間が植物と交感することは、不可能に思えてなりません。雑草は抜く、花を付けたり秋に色づいたりする「よい」草木だけは管理する。自分勝手に扱うことを「緑化」だとかいっているのが、とても自己中心的、自己陶酔的だなと思います。美しい部分だけを切り取って人の手で管理するものを「自然」とばかり思っているのは、改めるべきだと考えました。
そのとおりですね。とくに現代日本はその傾向が著しく強く、それによって自らの正当化と、「日本文化」なるものの称揚を図っています。この講義では、そのことを破壊する話を最後にする予定です。