いわゆるトーテミズムでは、トーテム対象の殺害・捕食が重要な祭祀となることが多いが、これら植物トーテムでも、葦や竹の収穫・食が、重要視されるのだろうか。

植物トーテムの場合は、食べることはもちろんありますが、それ以外に、植物を素材に作った衣服を着ること、家に住むことに意味があるかと思います。葦の場合には、家の屋根を葺いたり、部材を結んだり、骨組みを作ったり、垣根を作ったり、土と混ぜて壁に塗ることもありました。いわば、葦を中心とする草木の体内=胎内で暮らしているようなものだったでしょう。竹の場合も同様ですが、タケノコは食用になりますし、授業で扱った竹の焼畑も、竹の生命力を採り入れるものと考えられていたのではないでしょうか。