日本古来の立柱的表象として、まっさきに鳥居を連想した。あれは仏教の影響、神仏習合なのだろうか? / 鳥居も一種のトーテムポールなのでしょうか?鳥は再生のシンボルなのですか?

鳥居に似たものは、確かに、紀元前のインドのストゥーパ遺跡にみられますね。しかし実際のところ、鳥居の成り立ちについては定説がないのです。弥生時代の環濠集落には、鳥型木製品を配した門のようなものがみつかっているので、そうした在来の展開を遂げたものに、恐らくは中国の門闕(門に瓦葺きの屋根や楼閣などを付したもの)が参照され、考案されてゆくのでしょう。そもそも日本の神社建築は、中国の宮殿を模した仏教建築に対応し、列島的な王権の宮殿を模して造られていったと考えられています(そのさらに源流には、弥生時代以降の高床式倉庫があります)。ならば、中国的門闕を在来の文脈で再構築したものが鳥居だ、と考えてもよいでしょう。