弥生時代の寒暖の差が激しい気候は、現在の四季のようなものが、もっと極端な振幅を持っていた状態ということでしょうか。すると当時、体調を悪くする人が増加したとは考えられませんか?

寒暖差が激しいといっても、グラフに示しているとおり、600年というスパンのなかでのことです。古気温曲線では、1年の間における微細な温度変化はデータ化できませんので、四季が大きな振幅で訪れるというわけではありません。ただし、気候が温暖期/寒冷期の間へ変化してゆく時期や、現在の温暖化のように短いスパンで急激に変化する時期には、気象現象がさまざまに極端化し、災害をもたらすことも分かっています。温暖な縄文時代からの変化の時期、寒冷な古墳時代への変化の時期には、そうした不安定な気候が続くこともあったかもしれません。