スサノヲ―イタケルが樹木神の系譜とのことですが、イザナギ・イザナミによって生まれたククノチも樹木神なのではありませんか? 両者の関係はどう考えるべきでしょう。

ククノチは、樹木「神」というより樹木「霊」ですね。古代のヤマト言葉で、神霊を表す語句にはヒ・ミ・チなどがありますが、ミは自然物に宿る精霊的存在です。水の精霊であるミヅチ、火の精霊であるカグツチ、野の精霊であるノヅチなどが該当します。スサノヲやイタケルは、『書紀』一書に語られているとおり木種を植え、樹木を管理する存在ですが、ククノチは樹木そのものともいえるでしょう。